ベイサイド・スウィンガー(Bayside Swinger)

エディ藩とスーパー・セッション・バンド

Release 1976年10月25日 ブローアップ LQ-7016-A
Chart Action 不明。
Produced by 柳田ヒロ, エディ藩
Engineered by 三尾喜夫
Arranged by ミッキー吉野
Member エディ藩: Guitar, Vocal
ミッキー吉野: Keyboards
浅野孝己 Guitar
スティーヴ・フォックス: Electric Bass
浅野良治: Drums
ゲーリー渡辺: Percussion
坂本めぐみ: Chorus
村岡健: Sax
(クレジットなし): Horn Section
 
Songs 1.アイ・ブ・ビーン・ラビン・ユー/I've Been Lovin' You
2.チープ・ウーマン・ブルース/Cheap Woman Blues
3.バック・トゥ・チャイナ・タウン/Back To China Town
4.ウィザウト・ア・フレンド/Without A Friend
5.ハリー・アップ・ベイビー/Hurry Up Baby
6.ファンキー・エンジェル/Funky Angel
7.ビッグ・マイク/Big Mike
8.サムタイムス・アイ・ウィッシュ/Sometimes I Wish
9.ビー・マイ・フレンド/Be My Friend
 
Comments エディ藩の2枚目のリーダー・アルバム。

スーパー・セッション・バンドとは、要はタケカワユキヒデ抜きのゴダイゴ(MarkII)である。
ゴダイゴが1stアルバム「ゴダイゴ(新創世紀)」をリリースした年のセッションによるもの。

ミッキー吉野が念願のゴダイゴ・プロジェクトを始動させ、新しいサウンドへの意欲に燃えていた頃の演奏 のためアレンジに新鮮味がある。開発途上のローランドのシンセでの意欲的なソロも聞ける。 ポップではあるが、質感があり、洋楽ファンが聴いても全く違和感 がなく、かつ洋楽のスタイルの模倣に留まらないサウンドだと思う。高崎的にはエディ藩のベストの作品である。
時に初期シカゴの影響を思わせる部分があり、またランディ・ニューマンの様なサウンドとヴォーカル・スタイルの演奏もある。 しかし、それが地に足のついた表現であり、一つ一つの音に説得力が感じられるのである。

当時はフォーク〜ニューミュージック全盛時代で、日本のロック冬の時代という時期だったため、全く省みられることがなかった。また、現在の再評価の流れの中でもエディ藩という人はザ・ゴールデン・カップスかあるいは「横浜ホンキートンク・ブルース」という文脈のみで取り上げられてしまうので、その谷間に落ちてしまっている気がするが、70年代半ばにこんな素敵なアルバムがあったことを知らない人が多いのは残念である。

ソロはエディ(とおそらく浅野孝己のギター・ソロ、ミッキーのキーボード・ソロの他、 村岡健のサックス・ソロがフィーチャーされている。

歌詞はシングル・カットされた「バック・トゥ・チャイナタウン」を除いては全て英語。
なお、6.(B面2曲目)の「ファンキー・エンジェル」はゴダイゴでも(当時は)なかった浅野氏作曲のインストである。

同アルバムからは「バック・トゥ・チャイナ・タウン」(c/w「ハリー・アップ・ベイビー」)がシングルカットされている。

 

Jacket/Liner ジャケットは 海の上で人魚とセッションするエディのイラスト(デザイン:東京ニュー・アート/イラスト:中路和夫)。いかにも70年代という感じのデザインである。

ライナーノーツは音楽ジャーナリストの吉成伸幸によるもの。歌詞と訳詞も掲載されている。

ライナーでのエディ藩の「ばん」には草冠がない(「潘」)で表記されている。

 

Version 当初はLPでの発売。カセット 版の有無は不明。エディのアルバムの中で現在唯一CD復刻されていないアルバムである。

 

Writer/Editor 高崎勇輝
Special Thanks to STEVE RATさん

    02-eddy-baysideswinger.jpg (13945 バイト)

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本コラムは非営利の個人である高崎勇輝がレコードの批評を目的として作成したものです((c) 2003 by 高崎勇輝 All rights reserved)。
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