「破壊する」と魔人は言った
私は魔人にさらわれて 風を切って飛び続ける
滑らかに広がる大海原も 破壊の予感に白い泡を浮かべる
魔人の横顔は彫像の様に冷たく、美しく、そして冷酷
彼の巻き起こす旋風は 海を切り裂いて走る
遠くに見える大帆船は 彼が私をさらってきた父の船
鏡の様に透き通る海を 軽やかに進んでいく
私の嘆願には冷ややかな笑みで答え、魔人は風を放つ
彼の意を受けた旋風は、波を、そしてあの船を切り刻む
船は海の底深く姿を消し 魔人は空高く駆け上がる
言葉を失った私を 魔人は我が物にした
魔人はどこまでもクールで、寡黙で、しかも邪悪
彼の営みは力強く 私は彼の子を宿した
今はただ時が過ぎるのを待とう
いつの日かこの未だ生まれぬ子供が
魔人から受け継いだ力を操る時がくるだろう
今はただ時が過ぎるのを待とう
いつの日かこの今だ生まれぬ子供が
魔人を粉々に打ち砕くその時まで
魔人は今日も飛び続ける 破壊こそが力であると
作詞:高崎勇輝
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