(エディ藩とオリエント・エクスプレス) その1

エディ藩とオリエント・エクスプレス

Release 1974年7月1日 日本コロムビア CD-7113/COCA-7254
Chart Action 不明。
Produced by 不明。
Engineered by 不明。
Arranged by エディ藩とオリエント・エクスプレスエディ藩/ジョン山崎/秋山新之助
Member エディ藩とオリエント・エクスプレス
 エディ藩: Guitar, Vocal
 ジョン山崎: Keyboards, Vocal
 秋山新之助: Bass, Guitar
 ゲーリー渡辺: Drums
 サンダー・チーフス(ホーン・セクション)
 ・三神茂: Tenor Sax
 ・岡本正: Trombone
 ・荻野公夫: Trumpet
  
カンノ・シスターズ: Chorus (on2,5,7)
大野克夫: Merotoron(on 2,5,7,8)/Slide Guitar(on 8)
 
Songs 1.I Want To Be With You
2.You
3.K.S.D.
4.囚人21号
5.オリエント・エクスプレス
6.Another Better Day
7.How To Spend Her Time
8.9 O'Clock
 
Comments エディ藩率いるオリエント・エクスプレスのアルバム。「その1」とあるが、結局このグループでは最初で最後のアルバムになっている。

ゴールデン・カップス時代からエディがマイク・ブルームフィールドに傾倒していたのはよく知られている。
「オリエント・エクスプレス」は通常のバンド編成にホーンズを加えることによりR&Bファンクのスタイルを目指しているが、これはマイクが「エレクトリック・フラッグ」でやっていることにアイディアを得たものだろう。ミッキー吉野は後にゴダイゴで、バックにゴダイゴ・ホーンズを従え同様のアプローチを図っている。  エディは「ザ・ゴールデン・カップスのすべて」収録のインタビューでホーンズを入れたがったのはジョン山崎のアイディアであると語っている。
同インタビューではエディもサンフランシスコで売れる前の「タワー・オヴ・パワー」のライヴを見て感動したことを挙げているし、このアルバムでは「シカゴ」の影響を強く感じさせる箇所がある。

アルバム収録曲は全曲英語詞だが、シングルでは「9 O'clock」が日本語版で収録されている(c/w「オリエント・エクスプレス」)。

このアルバムのリリース時に販売促進用としてパンフレットが作成されている。まず富沢一誠による「エディ藩ストーリー」で始まるが、これがまた不正確で^^エディは「スーパー・セッション」の後でカップスを抜けて二度と戻らなかったり、カップス脱退後は「スーナーズ」を結成したことになっている。たかだか数年前の話なのだから、もう少し正確に書いて欲しいものだ^^。 続いて音楽評論家島崎信隆を始め、チト河内、石間秀機、JOE、吉成伸幸、北中正和、たのかえるによるこのアルバムもしくはエディ藩に対する賛辞が連ねられている。
そして最後に「エディ藩の独言」として、次の様なコメント(抜粋)が並んでいる。
「レコーディングの時間が2ケ月間もあったので、レコードの出来には満足しているね。」
「僕はギター・ソロでもヘビーなチョーキングはしない。昔からプレスリーのバックのギタリスト、ジェームズ・バッグが好きだし、テレキャスター・サウンドが好きだね。」
「とにかく海外へ進出するチャンスが欲しいね。音的にはむこうと全然かわってないと思うから。」
「オリエント・エクスプレスの方向性としては、よりソウルフルなものをやりたいね。ブルース・ソウルと言うか.....ハーモニカなんかもフィーチャーして、バターフィールドをもっとソウルっぽくした感じね。」
「僕自身としては、オリエント・エクスプレスはオリエント・エクスプレスでやってカントリーのアルバムなんかも作りたいね。」

また、「今使っているギターはSGとかセミアコとかいろいろあるね。」と言っているが、ここでの写真でエディが持っているのはヤマハSX-125COM(カスタム・オーダー・メイド)である。
富沢版「エディ藩ストーリー」では、音楽活動から身を引いたエディがある日ヤマハ渋谷店を訪れると、かねてからエディのギターに注目していたヤマハの荻原氏に「うちのモニターになってバンドをやってみないか」と声をかけられ、オリエント・エクスプレスを結成することになっている。 この真偽はさておき、この時期エディは確かにブルーのヤマハSG-125COMをもってヤマハの広告に出ている。

 

Jacket/Liner ジャケットはSF的なもので、クレーターのある地表を流線型の特急が走っていくもの。
帯なし、歌詞カードなしという輸入盤のスタイルを取っている。

 

Version 当初はLP(74.7.1)で発売。カセットがあったかどうかは不明。後にCDで復刻された(91.3.1)がこれも廃盤。

 

Writer/Editor 高崎勇輝
Special Thanks to 「日本フォーク&ロック アルバム大全(1968-1979)」(音楽之友社刊)
「ロック・クロニクル・ジャパン Vol.1 1968-1980」(音楽出版社刊)
「ロック画報 」7号(BI PRESS刊)
「ロック画報 」12号(BI PRESS刊)
「ザ・ゴールデン・カップスのすべて」和久井光司編(河出書房新社刊)

   

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本コラムは非営利の個人である高崎勇輝がレコードの批評を目的として作成したものです((c) 2003 by 高崎勇輝 All rights reserved)。
ここでのジャケット写真掲載については、日本国著作権法第32条(引用)に留意の上この範囲内に収まるものと考えておりますが、もし関係者の方でご 意見がございましたら 高崎までご一方頂ければ幸いです。