マモル・マヌー (まもる まぬー)/三枝マモル(さえぐさ まもる)/ゆうき剛(ゆうき たけし)
楽器 | Drums, Vocal。 |
コメント | ザ・ゴールデン・カップスのドラマー/ヴォーカリストとして、60年代後半のグループ・サウンズ・ムーヴメントのハードな部分を支えていた。 49年6月3日生。 本名:三枝守。 愛称:マモル。 この叔母さんの家族との付き合いで子供の時から米軍キャンプに出入りし、バンドで唄っていたらしい。 デイヴ、マモル、元「テイク・ファイヴ」のルイズルイス加部とケネス伊東、そしてエディ藩の5人で本牧のクラブ「ゴールデン・カップ」のレギュラー・バンドとして「(平尾時宗と)グループ・アンド・アイ」を結成する。 人選の段階ではジョニー野村にも声がかかっていたらしいが、ジョニーは大学を優先して断ったため、デイヴ平尾はマモルを起用したのだろう。 同バンドは当時として非常に新しいR&Bをメインにしたバンドとして、高い評価を浴びる。このバンドが67年6月にメジャー・デビューして「ザ・ゴールデン・カップス」となる。68年3月にシングル「長い髪の少女」が大ヒットしアイドル的な人気を得るが、一方アルバムやライヴでは渋い選曲と確かなテクニックで一目おかれる存在となる。 マモルはルックスの良さでカップスの中でもルイズルイス加部と共に特に人気があった。 セカンド・アルバム「ザ・ゴールデン・カップス・アルバム第二集」は冒頭の「ショット・ガン」をスタジオ・ライヴで収録しているが、この時にメンバー紹介でもマモルのところでひときわ大きな歓声が上がっている。 確かに背が高く甘いマスクは「白馬の王子様」系二枚目と言えるであろう。
本人もドラムよりは唄の方に自信があったらしく、69年末にカップスを脱退、ドラムもやめてソロ・シンガーに転向する(東芝のディレクターにソロ・デビューを誘われたのがきっかけで、カップスのホーン・アレンジ等をやっていた鈴木邦彦に師事したらしい)。 70年9月にシングル「雨の街」でソロ・デビュー、4枚のシングルと1枚のアルバムをリリース、72年7月から73年にかけては三枝マモル名義でシングル2枚、そして73年〜74年はゆうき剛名義で3枚のシングルと1枚のアルバムをリリースした(詳細は「マモル・マヌーDiscgraphy」参照)。 ソロに転向してからは、ニューロックというよりは歌謡曲(演歌)系のスタイルだったらしい(作曲家陣に筒美京平や大野雄二、ヴェンチャーズのボブ・ボーグル&ドン・ウィルソン等が名前を連ねている)。
74年にソロ活動も一旦停止し、成毛茂、山口富士夫と新バンド結成の話もあったが山口が大麻で捕まったために流れてしまった。 77年にはアイ高野のソロ・アルバム「コミュニケーション・アイ高野とロックンロールフレンズ」に他のカップスの面々と共に参加しているらしいが、その後音楽業界からは一時退いていた。 88年にはミッキー吉野、デイヴ平尾、アイ高野等と共に「タイガース・メモルアル・クラブバンド」に参加、ツアーやCDリリースを行った。 最近ではOJPC(オールド・ジェイポップス・クラブ)のCD「OJPC物語2001」では「長い髪の少女」と新曲「私の心は雨模様」をレコーディングしている。 作曲はカップス時代のクレジットでは見られないが、70年リリースの安井かずみのアルバム「ZUZU」では「その時では遅すぎる」で曲を提供している。 年を経てもマモルのヴォーカルは端正な甘さを保っており、2003年のカップス再結成ライブ「ザ・ゴールデン・カップス ワン・モア・タイム」でもその魅力に触れることが出来る。
当時の横浜では凄腕揃いで知られたカップスだが、マモルは元々ヴォーカリストだったため、当時は(本人の意識も含め)他のメンバーに比べるとドラムのテクは今イチと
言われていたらしい(エディとはドラミングが原因でよくケンカをしていたらしいし)。
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Writer/Editor | 高崎勇輝 |
Special Thanks to | 「日本ロック紀GS編」黒沢進氏著(シンコー・ミュージック刊) [日本ロック大系」(白夜書房刊) 「ルーツ・オブ・ジャパニーズ・ポップス(1955〜1970)」黒沢進監修(シンコー・ミュージック刊) 「ロック画報07」(BI PRESS刊) 「天使はブルースを歌う」山崎洋子氏著(毎日新聞社刊) 「みんなGSが好きだった」北島一平・中村俊夫両氏著(扶桑社文庫) ザ・ゴールデン・カップス公式サイト 「ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム」サン・マー・メン著(小学館刊) 「ザ・ゴールデン・カップスのすべて」和久井光司編(河出書房新社刊) |
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