ザ・ゴールデン・カップス ワン・モア・タイム

The Golden Cups One More Time

ザ・ゴールデン・カップス

Release 2004年11月17日 東芝EMI  TOCT-25536
Chart Action 不明。
Produced by ミッキー吉野
Engineered by 濱本真澄
Arranged by ミッキー吉野
Member Cups-Personnel : REUNION
デイヴ平尾: Vocal
エディ藩: Guitar, Vocal
中村裕介: Guitar
ルイズルイス加部: Bass、Guitar
スティーヴ・フォックス: Bass
マモル・マヌー: Vocal, Drums
ミッキー吉野: Keyboards, Vocal
樋口晶之: Drums
   
Songs 1. イースターのスイカ/Watermelon In Easter Hay
2. ロンリー・ナイト、ロンリー・ブルース/Lonely Night, Lonely Blues
3. ザ・ウェイト/The Weight
4.マンズ・テンプテーション/Man's Temptation
5.モジョ・ワーキング/I Got My Mojo Working
6. アイ・フィール・グッド/I Feel Good
7.トライ・ミー/Try Me
8.過ぎ去りし恋/Goodbye, My Love
9.青い影/A Whiter Shade of Pale
10.ウォーキン・ブルース/Walkin' Blues
11.絶望の人生/I Got A Mind To Give Up Living
12.横浜ホンキートンク・ブルース/Yokohama Honky Tonk Blues
13.ルシール/Lucille
14.ホールド・オン/Hold On I'm Coming
15.ワン・モア・タイム/One More Time
    
Comments ドキュメンタリー映画「ザ・ゴールデン・カップス ワン・モア・タイム」製作のために03年横浜クラブ マトリックスで行われたザ・ゴールデン・カップスの 再結成コンサート・ライヴ・アルバム。

同コンサートは一部映画にも収録されている。
映画とは一部収録曲が異なっており、1.2.4.6.7.はこのアルバムにのみ収録されている。

マモル・マヌーがカップス脱退以来ドラムを叩いていないこと、ルイズルイス加部もいまやベースを弾いていないことから、サポート・メンバーを加えての演奏となった。

特にマモルのドラムは一部のリズム・キープを合わせているに限られており、CDで聞けるドラムのほとんどは元クリエイションの樋口晶之によるものである。ルイズルイス加部はところどころでギターも弾いており、ベースはゴダイゴスティーヴ・フォックスがバックアップしている。 そしてサポート・ギタリストはエディ藩の盟友中村裕介である。

演奏はやはりミッキー吉野が引っ張っており、エディは渋みを増した演奏である。
樋口のドラムはキメが実に気持ちよく、演奏のベースはしっかりしている。
デイヴ平尾のヴォーカルは万全でない感じがする(飲み過ぎ?^^)のと、加部はやや体調を崩していたらしく、生気に欠ける感じがするのが残念である。

1.の「イースターのスイカ」はフランク・ザッパの79年リリース「ジョーのガレージII&III」に収録されているインストで、加部がギターを弾いている。
2.は中村裕介率いるROXVOXのシングル曲で、エディが作曲しておりヴォーカルもエディ(04年リリースのエディ藩&ROXVOXのアルバム
「Another Better Day」に収録)。 3.の「ザ・ウェイト」はザ・バンドのカバーで、「ゴールデン・カップス・リサイタル」でも演っている。4.の「マンズ・テンプテーション」はカーティス・メイフィールド作のナンバーだが、アル・クーパーのスーパー・セッション版をカップスも「スーパー・ライヴ・セッション」で演奏している。

「モジョ・ワーキング」(マディ・ウォーターズ作)は当時エディが好んで聞いていたポール・バターフィールド・ブルース・バンドのレパートリーで、カップスでは1枚目および「スーパー・ライヴ・セッション」に収録の名曲。

6.と7.はデイヴ平尾の好みで大御所ジェームス・ブラウンのナンバー。「アイ・フィール・グッド」はカップスの1枚目でカバーされているが、「トライ・ミー」の方はカップスの公式アルバムには収録されていない。 「過ぎ去りし恋」はカップスの英語オリジナル・シングル(ケネス伊東−エディ藩作)。後述の「絶望の人生」と共にマモルの甘いヴォーカルは健在である。

「青い影」は1枚目にデイヴ平尾のヴォーカル(鈴木邦彦のオルガン)によるものが収録されているが、ミッキーの加入後は彼のレパートリーとなり、ミッキーのヴォーカルとグリグリのオルガン・プレイが堪能出来る。

「ウォーキン・ブルース」「絶望の人生」「ルシール」「ワン・モア・タイム」は3枚目の「ブルース・メッセージ」収録のカバー曲で、ウォーキン・ブルースはロバート・ジョンソン、絶望の人生はバターフィールド・ブルース・バンドがオリジナル。ルシールはアルバムのライナーではリトル・リチャードのナンバーと書いてあり、それはその通りなのだがカップスがカバーしているのはツイン・ヴォーカル(エディ&マモル)のエヴァリー・ブラザーズ版である。
「ワン・モア・タイム」はカップスがいつもエンディングに演っていた曲だそうで、今回のドキュメンタリー映画(及びこのライヴ盤)のタイトルにもなっている、ゼムの曲である。ゼムはカップスがデビュー前からカバーしており、カップスが先端を行っていると言われた要因のひとつである。 これはデイヴのヴォーカルだが、映画ではエディのヴォーカルで「グロリア」も演奏している。これは実に凄い(元々はケネス伊東がヴォーカルをやっていた曲なので、「ブッチ(ケネスの愛称)に捧ぐ」というサブタイトルがついていた)。

「ホールド・オン」はセカンド・アルバムにも収録されていたサム&デイヴのレパートリーで、これもR&Bの名曲。イントロは「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のリプリーズっぽい演奏で始まっている。

「横浜ホンキートンク・ブルース」は言わずと知れた^^エディ藩の名曲(シングル及びアルバム「BLUE JADE」/「Another Better Day」)で、数多くのアーティストにカバーされている。映画でもこの曲が始まるとグッと来る^^。いや、いいですよ、実際。中村裕介のギターは昔のケネス伊東のパートを担当しているのだろう。この人もなかなか渋いですな。

高崎が映画で盛り上がってしまっている所為もあり、コメントは客観性には欠けるが(^^)楽しいライヴ・アルバムであると思う。
 

Jacket/Liner ジャケットは時計がヨレてる様なイラスト(ダリとかのイメージ か?)。
ライナーは曲目解説と映画の宣伝。歌詞・対訳等はなし。
解説は細部の詰め(原典等)が少し甘い^^。

 

Version CDのみでのリリース。ベスト盤「ブルース・オブ・ライフ」との同時リリース。

 

Writer/Editor 高崎勇輝
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本コラムは非営利の個人である高崎勇輝がレコードの批評を目的として作成したものです((c) 2003 by 高崎勇輝 All rights reserved)。
ここでのジャケット写真掲載については、日本国著作権法第32条(引用)に留意の上この範囲内に収まるものと考えておりますが、もし関係者の方でご 意見がございましたら 高崎までご一方頂ければ幸いです。