フィフス・ジェネレーション/Return of The Golden Cups Vol.8

ザ・ゴールデン・カップス

Release 1971年1月10日 東芝/Capitol   CPC-8042/WTP-90141/TOCT-8711/PLP-7618/TOCT-25386
Chart Action なし。
Produced by 橋場正敏 & The Golden Cups
Engineered by 森友明/野路孝之
Arranged by ザ・ゴールデン・カップス
Member Cups-Personnel: MarkVI
デイヴ平尾: Vocal
エディ藩: Guitar, Vocal
ジョージ柳: Bass, Vocal
アイ高野: Drums, Vocal
ミッキー吉野: Keyboards, Celesta, Vocal
  
Songs 1.ハイジャック/Hi-Jack
2.24時間/Twenty-Four Hours
3.フィール・ジス・ウェイ/Feel This Way
4.ウェッブ/Web
5.やぶにらみの女/Cross Eyed Woman
6.怒りの涙/Tears of Rage Midnight Rider
7.V.D./Verbards Going Doomed Again
8.ウーマンズ・ゴーン/Woman's Gone
9.アンダーチュア:エンプティ・ドリーム/Underture: Empty Dream
  
Comments 第5期カップス(MarkVI)によるオリジナル・アルバム。
6枚目だが、間にベスト盤が2枚リリースされているのでタイトルはVol. 8となっている。

「電子音楽イン・ジャパン」でもミッキー吉野ののカップス時代の成果として、このアルバムが取り上げられている。「日本ロック紀GS編」では、「時代が時代だけにさぞハード・ロックでせまっているだろうと予測すると拍子抜けさせられる」と書いているが、「電子音楽〜」でのミッキーのコメントを読むと、テープ編集によるテンポ・チェンジやドラッギーな位相系エフェクトの効果を狙ったサウンド作りに興味があったらしい。ハモンドの音色にもかなり凝っていたことがこのインタビューでは覗える。しかし田中氏の「ここでミッキーは半数近くの曲を書き、自らが歌っている」というのはやや大げさである。確かに全9曲の内4曲がミッキーの作曲だが、唄は2曲でバッキング・ヴォーカルやハーモニーを付けているだけである。デイヴ平尾柳ジョージアイ高野エディ藩と4人もヴォーカルが居て、いきなりミッキーが半数以上唄うわけがない^^。リード・ヴォーカルのデイヴですら2曲しか唄っていないのである。

ザ・バンドのカバーである6.を除けば全曲オリジナルという、洋楽のカバーの多かったカップスがニューロックのバンドとして作・編曲に目覚めた時期の作品と言える。 発売後に「大麻事件」の影響で密かに回収の憂き目にあったらしく、そのアーティステックな仕上がりにも拘らず、カップスのアルバムとしては認知度の低い1枚である。

当然のことながら、ここからシングルカットはされていない。

 

Jacket/Liner ジャケットもそれまで多かったメンバーの集合写真に対し印度や中国の古い絵をモチーフにした様なアーティステックなイラストとなっている(デザインは歴史画イラストで有名な廣野勝)。

ライナー・ノーツはレコーディング・データや各自の担当楽器も記された詳細なものだが、「V.D.」でのドラムとヴォーカルがミッキーと誤記されている(実際は勿論アイ高野^^)。

 

Version 当初は東芝Capitolでの発売(CPC-8042)。82年に入り「温故知新(フィフス・ジェネレーション)」というタイトルで東芝EMIから再発されている(WTP-90141)。
CDで2回復刻されている(94.12.14/04.6.30)他、ザ・ゴールデン・ボックスにも収録されている。
また2002年に入り、P-VINEからLP盤で復刻(02.3.25)されている。
ゴールデン・ボックス収録版は紙ジャケ仕様である。

82年再発時のカセットの商品番号はZH28-1105。

 

Writer/Editor 高崎勇輝
Special Thanks to くまさん
STEVE RATさん
Hitomiさん
「日本ロック紀GS編」黒沢進氏著。
「電子音楽イン・ジャパン1955〜1981」田中雄二氏著。

    02-5thgeneration.jpg (7013 バイト)

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本コラムは非営利の個人である高崎勇輝がレコードの批評を目的として作成したものです((c) 2003 by 高崎勇輝 All rights reserved)。
ここでのジャケット写真掲載については、日本国著作権法第32条(引用)に留意の上この範囲内に収まるものと考えておりますが、もし関係者の方でご 意見がございましたら 高崎までご一方頂ければ幸いです。