The Golden Cups Mark IV

(第三期ゴールデン・カップス/Mark IV)

Member Instruments
デイヴ平尾 Vocals
ルイズルイス加部 Guitar
マモル・マヌー Drums, Vocals
ミッキー吉野 Keyboards
林恵文 Bass
   

69年4月にエディ藩ケネス伊東が脱退し、ルイズルイス加部がリード・ギターに回り、ベースに元フラワー・クリエーション林恵文が加入したもの。 

当初のリズム&ブルースからマイク・ブルームフィールド等ホワイト・ブルース色を強めていたカップスは、ここでブリティッシュ・ハード・ロックへと方向を変える。
このメンバーではスタジオ録音アルバムは残していないが、2枚組ライヴ・アルバム「ザ・ゴールデン・カップス・リサイタル」ではクリーム、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ザ・バンド等をカヴァーしている。 シングル「蝶は飛ばない」もこのメンバーによるものである。

69年8月リリースの「スーパー・ライヴ・セッション」の裏ジャケットと69年11月にリリースされたベスト盤「長い髪の少女/ゴールデン・カップスのすべて」のジャケット写真にはこのメンバーで写っている(「スーパー〜」の演奏はカップス(MarkIII)で、「長い髪の〜」の方も2曲しかこのメンバーの曲は収められていないが^^)。

ミッキー吉野の後のインタビュー(87年の「日本ロック大系」(白夜書房)等を見ると、初期のカップスの音楽的な主導権はエディ藩が取っていたらしい。 そのエディが脱退した後は、サウンド面におけるミッキーの存在感が増していくことになる。 ルイズルイス加部は優れたプレイヤーではあるが、元々性格としてトータルなサウンド・コーディネイターというよりは、閃きで最後まで行ってしまうタイプなので、全体を見渡してツボを押さえていくということになるとやはりミッキーしかいなかったのだろう。 ミッキーは自身のサイトでもこの頃の回想として「編曲の面白さにアレンジャーとして目覚める」と書いている。

メジャー・シーンにレッド・ツェッペリンが登場、ディープ・パープルもハード・ロック化しつつあった時期で、このままカップスもハードに突っ走っていくと思いきや、1年も経たないうちにバンドは大きく方向転換を強いられる。
69年末にはマモル・マヌーがソロ・シンガーになるためバンドから独立、ルイズルイス加部と林恵文も脱退したためカップスはデイヴ平尾ミッキー吉野だけになってしまうが、ここで70年1月にエディ藩グループからエディ藩/ケネス伊東/アイ高野が合流することで第四期ゴールデン・カップス(Mark V)が誕生する。
MarkV以降のカップスは再びアメリカン・ロックへと回帰する。ザ・バンドに代表される様なアーシーな雰囲気を持ったニューロックのバンドへと姿を変えていくのである。

 

Writer/Editor 高崎勇輝
Special Thanks to 「日本ロック紀GS編」黒沢進氏著(シンコー・ミュージック刊)
[日本ロック大系」(白夜書房刊)
「ロック画報07」(BI PRESS刊)
「天使はブルースを歌う」山崎洋子氏著(毎日新聞社刊)
「みんなGSが好きだった」北島一平・中村俊夫両氏著(扶桑社文庫)
ザ・ゴールデン・カップス公式サイト
「ザ・ゴールデン・カップスのすべて」和久井光司編(河出書房新社刊)

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