柳田ヒロ (やなぎだ ひろ)

楽器 Keyboards, Vocal
コメント フローラル、エイプリル・フール、フード・ブレイン、ラヴ・リヴ・ライフ等に在籍、ミッキー吉野と並び日本のロック黎明期を支えたキーボーディスト。

49年5月7日生。本名:柳田博義。

68年2月に小坂忠(Vo)、菊地英二(G)、杉山喜一(B)、義村康一(Dr)そして柳田(Key,G)でザ・フローラルを結成、4月にはモンキーズ・ファン・クラブ日本支部のマスコットになり、「涙は花びら」と「さまよう船」の2枚のシングルをリリースする。68年10月のモンキーズ来日公演では3曲ほどバッキングを担当したが、その後アイドル系からインプロヴィゼイション中心のスタイルへ脱皮を図り、杉山・義村に替わり元バーンズの細野晴臣と松本零が参加して69年4月1日に「エイプリル・フール」となる。

エイプリル・フールは4月からアルバム「エイプリル・フール」を製作する。 このアルバムはほとんどがオリジナル曲だった。この時点で細野と柳田が対立してバンドは事実上崩壊するが、契約上レコードのリリース(同年10月)まではバンドを継続することになり、ゴーゴー・クラブで(最早オリジナルはやらずに)カバー曲をインプロヴィゼイション中心で演奏していた。
柳田はもうあまりこのバンドに興味がなくいろいろなセッションに顔を出していた様だが、その一つに69年4月から活動を開始していたエディ藩グループ(第一次)がある。

しかし70年初に同グループのエディ藩ケネス伊東アイ高野の3人がゴールデン・カップス(MarkV)に合流したため、このバンドも解散となりする。 柳田は逆に69年末にゴールデン・カップス(Mark IV)を脱退したルイズルイス加部、渡辺貞夫グループやジプシー・ブラッドの角田ヒロ、そしてパワー・ハウスを解散した陳信輝と「フード・ブレイン」を結成する。
フード・ブレインはアルバム一枚(「晩餐」)しか残さなかったが、その演奏は「重戦車の様だ」と例えられた程パワフルなものだった。

セッションやサポートとしては、ガロのアルバムや岡林信康のバックバンド等がある。
「ロック画報」第7号収録のインタビューで、成毛滋は 「あの頃グループ・サウンズは200以上あったんですけれど、そのほとんどのレコードを、7、8人で弾いているんです。 どのバンドでも弾いているのは同じ。 ドラムは石川晶さん、田畑貞一さん、ベースは江藤勲さん、ギターは水谷公生か僕が一番多かった。 オルガンはミッキー吉野、柳田ヒロ」と語っている。
 

フード・ブレイン解散後は70年11月の「ミルク・タイム」を皮切りに、「HIRO YANAGIDA」(71年)「海賊キッドの冒険」(72年)「HIRO」(72年)「ハイロコスモス」(73年)と続けざまにアルバムを5枚リリースする。 特に最初の2枚は日本で最初のプログレッシブ・ロックのアルバムと高く評価されている。

エディ藩の76年のアルバム「ベイサイド・スウィンガー」とシングル「バック・トゥ・チャイナタウン」ではエディと共にプロデュースを担当している。

80年代以降はマイペースの活動となる。
88年には映画「1999年の夏休み」(製作:ニュー・センチュリー・プロデューサーズ=ソニービデオソフトウェアインターナショナル)の音楽監督を担当した。

93年頃には成毛滋とバンドを組むという話もあったが、ベースとドラムに適任が見つからず、流れている。

最近のライヴ活動としては、2004年11月17日(水)に東京倶楽部で柳田ヒロ「LIVE! ROPS! LIVE! ROPS!」という70年代ソフト・ロックを演奏するライヴを前田達也、柳田ヒロ、谷口幸生、アンディの4人で行った。

また、渋谷のライブハウス「Lantern」で「柳田クインテット」として出演している他、円道一成を中心としたユニット「OH! GOD SHOW〜大御所」にも是方博邦等と共に参加している。

03年5月には、水谷公生とのユニット「MA-YA」でアルバム「浮遊−Floating」をリリースした。

 

Writer/Editor 高崎勇輝
Special Thanks to 「日本ロック紀GS編」黒沢進氏著(シンコー・ミュージック刊)
「ルーツ・オブ・ジャパニーズ・ポップス(1955〜1970)黒沢進監修(シンコー・ミュージック刊)
「日本フォーク&ロック アルバム大全(1968-1979)(音楽之友社刊)
「ロック・クロニクル・ジャパン Vol.1 1968-1980」(音楽出版社刊)

(注) 記載内容に誤りがある場合は管理人であるところの高崎勇輝(studio-g@sound.jp)までご連絡下さい。
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